CVD膜ダイヤの磁性
昨年度の科学部の研究の一つに<高温、高圧法で作成したダイヤは強磁性を示し、磁石に吸い寄せられる。それは触媒に使用したニッケルがダイヤの結晶に入り込むためである>ということを鍵先生(東大)に教えていただき、鍵先生から送っていただいたダイヤでそれを確認したものがあった。髙君の研究である。更に<この事実はダイヤの鑑定にも使われる>ということを広瀬洋一先生(東海大)から教えて頂いた。ところで、黒鉛は反磁性を示すことが分かっているので、同じC(炭素)からできているダイヤも反磁性を示しそうである。<Ni触媒を使わないCVD法でつくったダイヤならそれを確認できるのでは?>ということで、広瀬先生にお願いしたところ、CVD法で作成した膜状ダイヤを送って頂けた。ところが、このダイヤで実験したところ、予想に反して<磁石に吸い寄せられた>のである。ニッケルも混入していないのになぜなのだろうか?この実験はダイヤを水に浮かべてやっているので水との磁性の強弱が関係しそうだが、黒鉛は水より強い磁性を示す。どうみても逃げてもいいはずなのだ。ちなみにこの実験に取り組んでいる髙君が試したところでは、黒鉛電極を削った粉末黒鉛も水に浮かべると常磁性を示すとのこと。どの実験も私も見せてもらった。なんでも磁石についてくるので<静電気のせいかな?>とも考えているのだが、面白いことになってきた。
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