放射性ヨウ素の除去Ⅱ
東京都の浄水場で放射性ヨウ素が検出されたとの報道があった。先だって、このブログで放射性ヨウ素の除去についてコメントしたところ、今日の2時過ぎになって急にアクセスが増え、1時間に1000アクセスという異常事態になった。先のコメントには除去方法については書かなかったため責任を感じている。私はその専門家ではないので、詳しいことは書けないが、ヨウ素(ヨウ化物イオン)は不揮発性のため、煮沸しても除去できない。しかし、野菜等は洗浄で10分の1以下に出来、水道水も浄水器を通すことでかなり除去できるということをたった今馴染みの自然食品店でも聞いたばかりである。ヨウ素には分子性とイオン性の2つがあるが、どちらに対しても浄水器はある程度は有効だろう。そうでなければ浄水器の意味がない。しかし高度の浄水能力を誇る東京の浄水場でも除去できない程度のヨウ素を市販の浄水器でどの程度除去できるかは私には定かでない。全国の化学の教員仲間と連絡を取り合っていて、少しは有効かと思われたのは、ペットボトルに水を汲み置くことである。最初の間は、市販のミネラルウォーターを使い、そのペットボトルが空いたら、水道水を入れておく。放射性ヨウ素の半減期は8日間なので一定のくみ置き期間が経過したものから回して飲んでいけばかなり低減できることになる。これを繰り返していく。ただしこれは、原発から新しく放射性ヨウ素が飛散し続けている場合のことになる。またこの方法は半減期の長いセシウムに関しては全く無力である。
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コメント
ここ数日、いくつかの地域で水から放射性ヨウ素が検出されたというニュースを目にします。
特に幼いお子さんがいらっしゃるご家庭では、困っていると思われます。
ご家庭の台所でできる、飲料水からヨウ素を取り除く方法を考えて見ました。
自分が台所で実験してみた結果も書いています。
http://yokada618.blog39.fc2.com/blog-entry-1.html
もしよろしければ、ごらんになっていただけますか?
専門家の立場から、この方法が有効かどうか検証してみていただけたらうれしいです。
よろしくお願いいたします。
投稿: お台所化学屋 | 2011年3月24日 (木) 00時42分
大変興味深く拝見させていただきました。
一点、お伺いしたいのですが、放射性ヨウ素の半減期の8日というのは、氷の状態で保存した場合でも同じ期間なのでしょうか?
夏にむけて、8日間の汲み置きは困難になっていくかと思います。
大口の魔法瓶に氷を蓄えるなどの方策は有効か、
是非ご意見をいただければと存じます。
投稿: M.Takahashi | 2011年3月26日 (土) 00時24分
M.Takahashi さん、訪れて頂きありがとうございます。放射性ヨウ素の半減期の8日氷の状態で保存した場合でも同じ期間です。16日間で1/2。24日間で1/4、24日間で1/8、32日間で1/16と8日ごとに半分になっていきます。ただしこれは放射性ヨウ素の話です。セシウムは30年ごとに半分になるだけですから、水をペットボトルに入れて、順繰りに飲んでいくという方法は使えません。人にとって水の必要量は膨大ですので、氷で保存し続けるというのは普通は無理だと思います。
投稿: 管理人 | 2011年3月26日 (土) 08時57分
管理人さま
ご返信いただき、ありがとうございます。
例えば冷凍庫に数本、冷蔵庫に数本の2Lペットボトルを順繰りに飲んでゆくと、放射性ヨウ素の数値を抑える循環を生活に取り入れることができそうです。個々人でおこなう対策としては、かなり有効そうに思えます。(しかも停電時には天然冷蔵庫に。)
またその際、2011年3月26日 (土)の記事でご指摘のように、解凍した保管水は煮沸消毒をしてから飲むよう気をつけます。
セシウムに対しては家庭内での対策は難しそうですが、ミネラルウォータが入手困難であっても、個々人でとれる対策があれば、また気持ちも違います。
とり急ぎ家庭で出来る対策を知りたかったので、とても参考になりました。今後もブログ、参考にさせていただきたいと思います。
ありがとうございました。
投稿: | 2011年3月27日 (日) 22時39分