研究は小さな思いつきを実行し続けることで進展する
1年生はオリエンテーション、2,3年生は春休みという変則スケジュールで、今日の科学部はM君と二人で彼の研究<マンガンバクテリア電池>を進めた。今日は<金沢大学の足湯に備長炭をセットし、備長炭内にマンガンバクテリアのコロニーを作らせ、しかるべき後に回収して電池にしよう>という計画である。M君が苦労して金ノコで切った備長炭(堅い、堅い)を持ち、暑いくらいの日差しの中を金沢大学まで出かけた。ところが、たどりついてみると足湯に水が流れていないではないか!まあ、冬の間は足湯を訪れる人もいないだろうし、こうなっていることは十分予想できた。そこで、次なるマンガンバクテリアの候補地、深谷温泉まで出向こうかということになった。ところが深谷温泉目指して車を走らせるうちM君が「森本駅の近くの湧水へいってみたいんですけど・・・」とか言い出した。自分で色々調べているとのこと。「わかったよ」ということで少々軌道修正したところ、今度は「北稜高校の近くだと思います」ということで、また修正。ようやく小高い丘の上にたどりついたところ、「探してきます」と彼一人が車を降りて探しに出かけた。(そんな簡単に見つかるかな?)と思って待っていると「あったんですけど、水が赤いんで、駄目だと思います。やっぱ深谷温泉へ行きましょう」と言ってM君が戻ってきた。そんなことはない。赤いということは鉄が出ているということで、鉄(赤)とマンガン(黒)は共存する事が多いのでマンガンも出ている可能性がある。大いに期待して一緒に出向いてみると、黒い石、黒い葉、黒い木の枝などが水の中にぽろぽろ見える。早速オキシドールをかけてもらったところ、<シュワシュワー>と酸素が発生してきた。ほぼ間違いなく二酸化マンガンが析出している。こんなに簡単に、足湯の代替地が見つかるとは!!ここはM君が色々調べる中から見つけた彼のフィールドである。いくつか現地に備長炭をセットし、バクテリアのついた石も採集して持ち帰った。こちらは実験室での培養実験に使用する。午後からその実験装置も完成でき、大きくM君の研究が進展した一日であった。<研究は小さな思いつきを実行し続けることで進展する>ということをつくづく実感した。簡単に諦めてはいけないのである。フィールドと実験室2か所での培養実験と電解実験、複数が同時進行することになり、これからの進展が楽しみである。
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コメント
なんて素晴らしいんでしょう!
感動しました!
先生の教育姿勢にはいつも感心させられます。
またいろいろと教えて下さい。
投稿: D | 2011年4月 6日 (水) 19時07分
ありがとうございます。素晴らしい?ということはないですが、部員(生徒)の発想が顧問(教師)を超えているのに、顧問がそれに気づかず部員(生徒)を延ばしてあげられないということが、私にはよくありそうな気がします。授業ではもっと多そうな気が・・・・。(まぁ、それやってみっか・・。)位のゆとりと思い切りがいつも欲しいですね。
投稿: 管理人 | 2011年4月 6日 (水) 21時54分