塩素でイラガの幼虫退治?
ハロゲンは周期表の上のほうにあるものほど酸化力が強く毒性が強いとされる。何年か前にヨウ素の単体を少々もらったことがあった。ヨウ素は千葉県の特産であり、科教協千葉大会の記念品としてもらったかと思う。このヨウ素の用途に困った。ちょうどその時、我が家の柿木にイラガの幼虫が大発生し、その幼虫を柿の葉ごとごみ袋に大量に集めたことがあった。この時、ふと、(ヨウ素でイラガの幼虫を駆除できないか?)ということを考え付いた。そして残酷?なことにヨウ素をごみ袋の中に入れて、様子を観察したのであった。ところが死なない。ヨウ素の毒性ではイラガの幼虫は駆除できないようで、今度は臭素か塩素を入れてみようかと、その時は思ったものだった。昨日のハロゲンの授業でこのエピソードとともに<ヨウ素より塩素のほうが酸化力が強く、毒性も強い>と話した。そして明日の放課後、科学部で<塩素によるイラガの駆除実験をやります。興味のある方は見に来てください>と宣言してしまった。もうやらないわけにはいかない。さて、本日、我が家から、妻がごみ袋の中に大量に集めてあったイラガの幼虫を持参したのだが、暑さにやられてしまったか、放課後実験しようとしたときには、すでに幼虫達は動かなくなっていた。ところが、科学部員たちが、校庭からイラガとアメシロ2種類の幼虫を集めて来たではないか!「これで塩素の実験をしよう」という。そのうち「かわいそうだよ」「テルミットの実験の時、何回もこいつらに刺されたりして苦しめられた。だからかわいそうじゃない!」「こいつらは害虫だ」「こいつらにとっては、そういうお前が害虫だ」とかおかしなほうへ話がいくので、ともかくやってみることにした。塩酸の二酸化マンガンの混合物をバーナーで加熱し、発生させた塩素を幼虫のいるポリ袋に送り込んだのだが、なぜかアメシロは塩素の発生するほうへ寄っていき、たちまち動かなくなってしまった。塩素を害虫のたかった木にかければ駆除できることはわかったが、木の葉の変色してしまうし、人間もやられてしまうだろう。毒ガスなど発生させるものではないのである。
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