注射器(シリンジ)内の空気の体積を半分にするには?
新課程の化学は2年生の初めから、金属結晶の密度計算、気体の各種計算といったものが続くようになった。気体の圧力と体積の関係はボイルの法則、温度と体積の関係はシャルルの法則で、何の変哲もない計算問題として扱えばそれまでなのだが、どうにも面白くない。そこで表題の<注射器(シリンジ)内の空気の体積を半分にするには?>という課題を考えてもらった。すると色々でてくる。そのひとつが手で押すというもの。そして、50ccのシリンジに空気を50cc入れて手で押して体積を半分にするのは結構大変である。これが水10mが上に乗っているのと同じ力。1気圧を実感してみようというわけである。10分の1の5ccにするには9気圧(水90m)分の圧力で、シリンジを手で押してみるとほとんど不可能なくらい大変なのが実感できる。ここまでが今日の授業だった。体積を半分にする方法としてもうひとつでてくるのが、温度を下げること。実際、シリンジを液体窒素の中に入れてみると音もなく、シリンジのピストンが吸い込まれて、ぺちゃんこになってしまう。シリンジの中には液体が・・・。二酸化炭素を入れると、なにやら粉末が・・・。水素を入れたら・??ということで気体の温度と体積の関係(シャルルの法則)と理想気体を扱うのが次の授業の予定だがうまくいくかな。ところで、フィルムケースにドライアイスを入れてポンポンいわせるのは、とても楽しく大騒ぎになる位なのだが、これって危ないのかなぁ??フタが飛んで当たったところで、大丈夫だと思うのだけど・・・。
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コメント
四ヵ浦先生おはようございます。
星稜高校の山崎です。
いつも,実験を取り入れて楽しくて印象に残りそうな授業ですね。
フィルムケースにドライアイスは私もいつもやります。蛍光灯にさえ気を付ければ大丈夫だと思います。
本当は,ペットボトルが危険だということもやりたいのですが,ネット上で見ただけで,本当に危なそうなのでまだ自分ではやったことがありません。
破片でけがをしたという事故も聞いたことがあります。ネット上では新品なら15気圧程度で爆発すると書いてありましたが,先生は実際にやってみたこと(もしくは見たこと)おありでしょうか。
投稿: yamazaks | 2013年7月19日 (金) 08時42分
山崎さん、コメントありがとうございます。実はドライアイスではなく、液体窒素をペットボトルに入れて、大変なことになったことがあります。ことの顛末は雑誌「理科教室」にその昔書きました。これは絶対やってはいけない実験です。
投稿: 管理人 | 2013年7月21日 (日) 10時53分