土曜日、石川私学組合の夏の研究集会がありました。講師として来て頂いた新潟のM先生は長年新潟私教連の委員長としてがんばってこられた方ですが、今年10年ぶりに担任に復帰されたのとのことです。M先生の職場も管理主義体制が進み、成績で輪切りにされた生徒達に対して担任として接することに大きな不安があったそうです。M先生のレポートから少し紹介してみます。
10年ぶりの担任、実はこの私、入学以来朝のSHRで生徒全員の前に立つのが怖くて仕方がなかった。その怖さの理由を上手く表現できないが、生徒の顔を見ることができない。きちんと目を合わせて向き合うことができない。学級通信はそんな私の武器になった。朝のSHRで通信を配る。生徒はいっせいに通信に目を通してくれる。すぐに興味なしと折りたたんで机の中にほおってしまう生徒もいないこともないが、大多数の生徒はじーっと読んでいる。一方の私は、生徒と直接目を合わせる事がない中、学級通信を朗読し、心を落ち着かせて、ようやく、通信の内容をもとに生徒と対話する。目を合わせることができる。そんな時間が心地よくなり、1学期間一日も欠かすことなく75号の通信を発行することになった。
☆毎日発行の理由は?
①生徒が書いた学級日誌を毎日載せたいと思ったから
②読書はほとんどしない。新聞はもちろん読まない・・そんな子ども達に少しでも文章を読む場をつくりたかったから
etc・・・
☆学級通信の効果はいかに?
①しずけさとその後の議論で満ちる朝のSHRが生まれた。
②「私は学級通信のファンです。毎日楽しみにしています。通信を通じて子どもとの会話が増えました」(保護者からのメッセージ)
etc・・・。
M先生のお話は情熱的でしたが、どのような経緯を経て今の職場の状況が生まれたのか、それがM先生の学校だけの問題だけではないことがきちんと分析され、その中にご自身の実践が位置づけられた素晴らしい内容でした。参加者からは、
「忙しい日常の中で、私だけがダメで、私だけが悩んでいるように思えることもあるけれど、M先生も悩んでおられることがわかり、気持ちが楽になった」といった共感の感想が寄せられました。その後も意見交流が続き、この実践は次の北陸私学の研究会につなげて欲しいと思いました。M先生ありがとうございました。
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