ニセ金の指輪の正体
今でも各種講座や授業で大活躍しているニセ金の指輪。「これはタングステンに24金メッキをしたもので、表面は純金のメッキ。密度も金と同じ19.3g/cm3なので見かけや密度では見分けられないよ。どうやって見分けるんだろうね?」ということで紹介していた。ところが授業で、生徒から「先生。密度測ってみて下さい。」と言われ、その場で測定したところ、14g/cm3位しかなくてびっくり!純粋タングステンではないことが分かっていた。いったい何で出来ているのか?気になって仕方なかったのだが、昨日、ついに金沢大学で色々分析したい試料があったついでに、この指輪も分析してもらえた。表面をヤスリで磨いて測定した内部はタングステン85%、ニッケル15%のタングステン合金(たぶん炭素も含むのかな?)であることが判明した。長年の謎が解けたのだが、表面も本当に24金かどうか疑わしくなり、その分析もやってもらった。ところが結果は、金は全く含まれておらず、チタンでできているというものだった。たぶん電解着色チタンなのだろう。しかし、これは完全に虚偽表示であり、頭にきて、購入サイトを探してみたが、すでに見あたらない。まぁ、これはこれで面白いお話と実験(チタンの電解着色で金色を出してみせる)につながるかな?と気持ちを立て直しているのだが、ニセ金のインゴットも本当に金メッキか、疑わしくなった。これも削って分析してもらうことにしようかな。

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