「グスコーブドリの伝記」と電気火花
科学がいっぱいの『グスコーブドリの伝記』。その中に「ブドリはボタンを押しました。網はパッパッと目もさめるようにかがやきながら、ついたり消えたりしました」というシーンがあり(ボタンを押すって?)(なぜ網が輝くの?)ということが気になっていました。このお話では、白金の触媒作用で硝酸アンモニアが作られます。ところが白金の表面にはそれを妨げるゴミ(触媒毒)がついていて、これをきれいにしないと反応してくれません。このゴミは加熱で取れるのですが、電気火花でもよさそうです。お話に潮汐発電所が出てきますが、ここからイーハトーブ火山に張りめぐらされた白金の網への通電ボタンを押して網に火花を飛ばし、きれいにしているのではないかな?。そう考えて白金箔で試してみました。通電で白金箔に火花が飛び、水素が爆発するようになってくれてうれしかったです。潮汐発電所→白金網→電気火花→硝酸アンモニア。これでいいのかな
?。賢治すごいな。
白金箔に通電すると、火花が飛び、表面が活性化されます。「ブドリはボタンを押しました。網はパッパッと目もさめるようにかがやきながら、ついたり消えたりしました。」火花の熱で白金箔に穴が開きます。「グスコーブドリの伝記」の「網があちこちちぎれたらしい。あんまり鳴らすとあしたの新聞が悪口を云うから、もう十分ばかりでやめよう」というくだりはこのことを言っているのかな?都合よく読みすぎかしらん。
電気火花が飛んだあとは、表面が活性化して水素が爆発してくれました。アンモニア蒸気の中にこの白金箔を入れるとアンモニアが燃えて硝酸、そして硝酸アンモニアができます。これはオストワルト法で、成立は1902年。賢治6歳の時のことです。
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