« サイエンスヒルズこまつで「金の不思議を探る」講座をやりました。 | トップページ | 銀と白金の見分け方 »

2023年4月16日 (日)

砂金の科学は面白い!

砂金はその科学もとても面白いです。6年前にそのことを扱った講座をやっていることをフェイスブックが教えてくれました。それに拙著「金銀銅の不思議を探る」の内容を加えて紹介します。
 5月7日の<サイエンスヒルズこまつ>での講座「金・銀・銅の不思議を探る!」にむけて砂金の実験の改良に取り組んでいます。砂金をピンセットではさんでガスバーナーで加熱してみました。すると真っ赤に輝いて熔け(金の融点1064℃、ガスバーナーの炎1300℃)銀色の球になって驚きました。これまでは何かの上に置いて加熱していたのですが、熱がそこに逃げる為、球にはならなかったのです。磁器のカップの上で加熱したら器がはじけて割れ、危険でした。球になってくれてよかったことがあります。時々「砂金を叩いて金箔に出来ませんか?」と言われるのですが、薄っぺらい砂金からでは難しかったのです。それが、球を叩くことで展がっていることがわかりやすくなりました。砂金が加熱で銀色に変化することもはっきりしました。銀色に延びた砂金を銀硫化液に浸けると黒く錆び、マグネシウムスティックに載せて食塩水に入れると銀色に戻ります。銀箔のサビ取りの応用です。この実験も見やすくなったのですが硫化→還元がイマイチ安定しません。銀の割合が少ない為かな?また、加熱で銀色になった砂金を(金と銀の分離試薬といわれる)硝酸に浸けて銀を溶かし、金色にしようとしてみたのですが、こちらもはっきりしません。なぜかなぁ?それでも一連の実験の改良が進み、ワクワクしています。
Photo_20230416144201
①金色の砂金は純金ではなく、銀との合金であることが多いです。②③表面からは銀が抜けてしまっていて金色でも内部には銀があるので、砂金を加熱すると銀色に変わります。金の削り屑ではこういう変化は起きないので、この方法で砂金を見分けることができます。④銀色になった砂金を金床に載せて叩くと延びて広がります。⑤それを銀硫化液に漬けると錆びて黒くなります。⑥錆びたものを食塩水中でMgに載せると、還元されて銀色に戻ります。
Photo_20230416144301
硝酸では抜けなかった銀を電気分解で抜くことができました。その方法です。
加熱して銀色になった砂金から、電気分解で銀を抜いて金色に戻してみました。(拙著「金銀銅の不思議を探る」より)
⑦⑧白金箔(電解では溶けない)を陽極にして、その上に銀色の板状砂金を載せ、9V乾電池を電源、電解液を炭酸ナトリウム溶液にして5分くらい電解します。⑨⑩気体(陰極:水素、陽極:酸素)の発生を伴いながら、陽極の銀色の砂金片から銀が抜け、縁の方からどんどん金色になっていきます。

| |

« サイエンスヒルズこまつで「金の不思議を探る」講座をやりました。 | トップページ | 銀と白金の見分け方 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« サイエンスヒルズこまつで「金の不思議を探る」講座をやりました。 | トップページ | 銀と白金の見分け方 »