【石の街小松で金属の不思議を探る・マンガン】
来年度のサイエンスヒルズ講座で【石の街小松で金属の不思議を探る・マンガン】というのをやりたいなと思っていたら、フェイスブックが8年前の書き込みを教えてくれました。(賢治はマンガンや電池のことを書いているかな?)と全集を調べたら、ほとんど無しで<マンガン鋼をニッケル鋼に書き換えている>くらい関心がなかったみたいです。以下8年前の記事です。当時も「長くて読みづらい」とご意見を頂きましたが、講座テキストの下書きですのでご容赦を!
加賀市黒埼海岸は、浜が黒くなる位、砂鉄の採れるところです。一方、黒滝と名が付いている滝が全国各地にあります。ところが、これも鉄かというと鉄ではなくて、マンガンであることが多いようです。北海道のオンネトー湯の滝が有名で、微生物のつくる二酸化マンガンの滝として天然記念物にも指定されています。現地にいってみると<世界でもここだけ!>という標記があったりしますが、そんなことはありません。金沢高校科学部の牧畠君の研究(2011)に詳しいですが、マンガンバクテリアが黒い堆積物、二酸化マンガンを作っているところは全国各地にあるのです。羽黒山の黒滝、乗鞍3本滝の内の一本もそうです。ちなみにこの3本滝はそれぞれ酸化鉄で赤、酸化ケイ素で白、酸化マンガンで黒とカラフルに着色されているのが面白いです。ただし現地にその記載はありません。基本的には水質が違う為ですが、それぞれバクテリアが大きく関係しています。酸化マンガンが出来ているところですが、石川県でいうと、北陵高校近くの池や深谷温泉などもそう。オキシドールをかけてみるとシュワシュワと泡を出すのですぐに分かります。マンガンといえば成因は別として、京都丹後周辺にも小さなマンガン鉱山が,かってはたくさん(300以上だったかな?)もあり、採掘されたマンガンは高品質で,鉄に靱性(粘り強さ)を加える為、戦前はドイツなどにもたくさん輸出されていたようです。この採掘に駆り出されたのが、強制連行された朝鮮人の方々という記載が現地鉱山跡の施設にあって驚きました。二酸化マンガンで黒くなっているところに備長炭を沈めておくと、(おそらく)バクテリアの作用もあって二酸化マンガンが付着しそうです。これで備長炭電池をつくると面白そうですね。写真は、乗鞍三本滝の黒滝、深谷温泉石屋旅館湯口、北陵高校近くの池で採取した黒石にオキシドールをかけた様子です。小松でもきっとそういう場所があるはずです。それを探し出し、色々実験してみたいです。
乗鞍三本滝の黒滝。黒いのは二酸化マンガンです。
深谷温泉石屋旅館湯口も黒くなっています。これも多分二酸化マンガン。
北陵高校近くの池で採取した黒石にオキシドールをかけた様子です。シュワシュワと酸素が発生。やっぱり二酸化マンガン。ここに備長炭を仕掛けて電池にしてみたい
。

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コメント
お久しぶりです。
私のことを覚えて頂いていて、ありがとうございます。
記事を拝見しまして、マンバンバクテリア電池を研究していたことを懐かしく思いました。
高校時代から現在に至るまで、様々なことがありましたが、1児の父となり、子供と四ケ浦先生の教室に参加できることを心待ちにしております。
投稿: 牧畠亮太 | 2025年5月 7日 (水) 22時16分
牧畠くん、コメントありがとう!お父さんになったんですね。それまでもつか分かりませんが、一緒に講座に来てくれる日を楽しみにがんばります😊。
投稿: 管理人 | 2025年5月 9日 (金) 17時39分