10年前に賢治講座スタート。その始まりは?
宮沢賢治の世界に入り込んだのは、講座の依頼を同級生からもらったことがきっかけでした。そして『宮沢賢治と化学』(板谷英紀著)と友人達からの助けを頼りに準備の講座(会場ワクナミトネリコ)を続けるうちに賢治の世界が少しづつ見えてきたのでした。当時(10年前)のことをフェイスブックが教えてくれたので再録します。当時の方が文章が元気な気がするなぁ
。
<宮沢賢治・実験でたどるサイエンスファンタジーの世界>第4回<インドラの網>が無事終わりました。ここに描かれているのは、華厳経の不思議?な世界です。今回も色々実験を楽しみましたが、その一つが鳴き砂の実験です。友人の小西正位さんが、門前、剱地の方で、自宅近くに琴ヶ浜という鳴き砂の浜があり、その砂を持ってきて下さったのです。<インドラの網>には
・・まもなく私はまっ白な石英の砂とその向こうに音なく湛える
本当の水とを見ました。砂がきしきし鳴りました。私はそれをひとつまみとって空の微光に調べました。すきとおる複六方錐の粒だったのです・・・・
という表現が出てきます。これを試して見ました。最初の写真、右が鳴き砂で、左は鳴かない普通の砂です。次の写真が鳴き砂の拡大像で、その次の鳴かない砂に比べ、透明の石英が多いのが分かります。乳鉢に入れて、乳棒でついてみると、鳴き砂は見事にきゅっ、きゅっという音がして歓声があがりました。小西さん、ありがとうございました。
他にも賢治が、太陽に例えた鉄の融解実験、過冷却、食塩の劈開、ろうそくのスペクトル等々をやってみました。少しは賢治の描いた世界が実感できたかな?
これで4回の講座は一応ひと区切りです。私にとって、ものすごく刺激的な時間になりました。賢治像が全く変わったというか、ようやく、彼が何を描こうとしていたのか理解できてきたような気がします。最初の会から朗読をして下さった神田洋子さんによれば、この講座で扱ってきた<真空溶媒><アンネリダタンツェーリン><丸善階上喫煙室小景><チュウリップの幻術><インドラの網>などは、普通の賢治の読書会ではまず扱われない作品とのことでした。どれもサイエンスが一杯で、難解な為、敬遠されるのかもしれません。でもそこから賢治の伝えたかったことが、見えてきたのですから、取り上げた意味があったとしておきましょう。参加して頂いた皆さん、ありがとうございました。また形を変えてやりましょう。
右の白い方が鳴き砂
鳴き砂の拡大写真。白いのは石英が多いから。
普通の砂は石英が少ないです。
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